CANONが新技術を公開 | SPADとCMOSを組み合わせたカメラセンサーの特許情報

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ミヤビテックブログ | CANONが新技術を公開 | SPADとCMOSを組み合わせたカメラセンサーの特許情報
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CanonがSPAD型撮像素子とCMOS型撮像素子を搭載したセンサーについての特許を出願していました。

はじめに、SPAD型撮像素子とはセンサーに入ってくる光の粒子の数を数える仕組みを備えたもので、従来のCMOS型撮像素子と比較して高感度耐性が高く暗闇での撮影を行なってもノイズがのりづらいのが特徴です。

今回の特許ではカメラユニットの片側がSPAD型撮像素子でもう片方がCMOS型撮像素子を搭載したセンサーについての特許でした。

請求項の内容としては、一つ目はそれぞれのセンサーで画像信号を出力しそれぞれの輝度値からどちらのセンサーの画像信号を使用するかを選択するという内容です。
次に二つ目は、ダイナミックレンジを拡張するために両方のセンサーの画像信号を合成するか、どちらかのセンサーを使用するというものです。

要するに、この特許は複数の撮像素子を組み合わせ、特定の条件(輝度や撮影感度)に基づいて最適な画像信号を選択・生成する撮像装置に関するものとなっています。

この特許の真価は、単に2つのセンサーを搭載した点だけでなく、撮影状況に応じて最適な画像信号を選択・合成する技術にあります。例えば、夜景モードではSPADセンサーの力を最大限に活かし、日中の明るい環境ではCMOSセンサーの色再現性を前面に出すことができます。このように、1台のカメラで多様な撮影シーンに対応することができるのです。

2023年8月には世界初のカラー撮影用1.0型のSPADセンサー搭載のMS-500を発売しているため、このセンサーも近年中には利用される可能性が高いです。

【公開番号】特開2023-123474(P2023-123474A)
【公開日】令和5年9月5日(2023.9.5)
【発明の名称】撮像装置

【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
【課題】SPAD型撮像素子とCMOS型撮像素子の利点を生かして、画質を向上させる撮像装置を提供する。

引用元: 特許情報プラットフォーム 特開2023-123474 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/p0200
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補足: 写真のノイズについて

noise-image
ノイズのイメージ画像

「写真のノイズ」とは、デジタル画像において不要な小さな色のばらつきや明るさのばらつきのことです。これらのばらつきは、画像の詳細や色の正確さを損ねる可能性があり、画像の品質を低下させる要因となります。
実際に発生の様子がわかる写真を上に示しています。

また、発生するノイズは輝度ノイズ(Luminance Noise)、色ノイズ(Chrominance Noise or Color Noise)、帯状のノイズ(Banding Noise)、一定パターンのノイズ(Fixed-Pattern Noise)に分類されます。

写真のノイズの主な原因は以下です。

高ISO設定:カメラのISO設定を上げることで、撮影時の感度が高くなります。暗い環境での撮影時などに便利ですが、高ISOで撮影するとノイズが増加することが一般的です。カメラマンが可能な限りベースISOを使用して撮影するのはこのためです。

長時間露光:特に暗い環境で長い時間シャッターを開放した場合、センサーが発熱しノイズが増えることがあります。

不十分な光条件:暗い環境では同じISO感度での撮影でもノイズが目立ちやすくなることが多いです。

カメラのセンサーサイズと品質:一般的に、フルサイズや中盤などの大きなセンサーを持つカメラは光の取り込む量が多いため、ノイズが少ないとされています。また、カメラのセンサーの技術や品質によってもノイズの量や質が変わってきます。

JPEG圧縮:JPEG形式での保存時に、圧縮率を高くすると画像のノイズが増加する可能性があります。

ノイズを軽減または除去するための方法として、Lightloomなどのノイズリダクションソフトウェアの使用、適切なISO設定の選択、RAW形式での撮影後の処理などがあります。

特に、カメラのISOの設定値を上げることで暗い環境でも明るく撮影できるようになりますがISOを上げると、それに伴いノイズも増加します。必要以上に高いISOを選択しないよう注意が必要です。最適な結果を得るためには、撮影環境に応じてISOを調整し、可能な限り低いISOを使用することが必要です。

終わりに

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もし、このセンサーが実用化されてスマートフォンなどに搭載されるようになれば、暗所性能が大幅に向上しそうですね。

また、SPADにはフォトンの到着時間を測定する能力があり、これによりLiDARのような距離計測や3Dマッピングが可能となることでARやVRの分野でも活躍しそうですね。

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