カメラの露出を徹底マスター | EV値の計算方法をISO感度、シャッタースピード、F値から算出するまで解説!

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はじめに: 露出の基礎知識

ミヤビテックブログ | カメラの露出を徹底マスター | EV値の計算方法をISO感度、シャッタースピード、F値から算出するまで解説!MIYABI

はじめましてカメラマンのMIYABIです!
今日は写真の露出設定について、わかりやすく解説していきます。

写真を撮るときに最も大切なのは、露出を適切に設定することです。露出の設定が不適切だと、写真が暗すぎたり、明るすぎたりして、望んだ通りの結果にならないことがよくあります。露出をうまくコントロールするには、EV値、ISO感度、シャッタースピード、F値という4つの基本要素を理解しておく必要があります。これらの要素をマスターすれば、より表現豊かな写真を撮ることができるようになります。

露出が過度に明るくなると(露出過度)、または暗すぎると(露出不足)、写真に写っている被写体のディテールが失われがちです。だからこそ、露出を正確にコントロールすることは、写真撮影において非常に重要な技術の一つです。

露出を数値で表す: EV値の理解

EV値(Exposure Value)とは、露出のレベルを数値化したものです。そのため、ここでは慣習的にEVをEV値と示していますが、正しくはEVのみの表記です。

F値(絞り値)がF1、シャッタースピード(露光時間)が1秒のときの露出値をEV0と定義し、シャッタースピードが1/2になるか、絞り値がF値が√2(約1.4)倍になって届く光の量が1/2になるごとにEV値は1大きくなる。

このEV値は撮影する場所の明るさを示す指標として使われており、EV値が大きくなるほど、撮影する場所が明るいことを示しています。逆にEV値が小さくなるほど、撮影する場所が暗いことを示しています。

EV値を理解するには、シャッタースピード、F値、そしてISO感度の三つの基本的な要素との関係を把握する必要があります。

*EV値の変化を示す際に「段」を使って表記されることもあります。

撮影時のEV値: 撮影シーン毎の目安

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撮影時のEV値は、被写体の明るさと撮影したい表現を考慮して設定する必要があります。以下が一般的な目安となります。

・EVが0付近:室内の薄暗い場所で撮影するのに適している。暗めの雰囲気を出すことができる。
・EV5から8:室内で比較的明るい場所での撮影に適している。人物撮影に向いている。
・EV9から12:晴天の屋外での撮影に適している。風景写真を撮るのに適している。
・EV13から16:雪景色など非常に明るい被写体を撮影するのに適している。

単に被写体の明るさだけでEV値を設定するのではなく、ご自身の表現したい写真によって値を決めることが重要です。
また、逆光の際はストロボを用いらないと被写体の顔が暗くなってしうため、明るめに設定するのもおすすめです。

EV値の一覧: 表から読み解く

シャッタースピード | F値F1F1.4F2F2.8F4F5.6F8F11F16F22
1s0123456789
1/2s12345678910
1/4s234567891011
1/8s3456789101112
1/15s45678910111213
1/30s567891011121314
1/60s6789101112131415
1/125s78910111213141516
1/250s891011121314151617
1/500s9101112131415161718
1/1000s10111213141516171819
1/2000s11121314151617181920
1/4000s12131415161718192021
1/8000s13141516171819202122
ISO = 100 のEV値
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計算方法ではなく、ざっくりとEV値はこんな感じだと知りたい方は上の表から確認をお願いします。
詳しい計算方法は後述します!

上にISO感度が100の時の表を示しました。シャッタースピードが1秒でF1.4の時はEV1ですが、シャッタースピードがそのままでF2.0になると光の量が半分なるため、EV1からEV2になっています。

ISO感度が100から200になったときは光の量が2倍になるため、EV値から1を引きます。例えば、ISO感度が100, シャッタースピードが1/30秒でF値がF1.4の時はEV6ですが、ISO感度が200の場合は1引いてEV5になります。
同様に、ISO100からISO400は2段分明るくなるので2を引く、ISO100からISO800は3段分明るくなるので3を引きます。

EV値の計算方法: AV値, TV値とISO値から算出

EV値 = AV値 + TV値 – ISO値

EV値はF値をAV値に変換したものとシャッタースピードをTV値に変換したものを足し合わせて、そこからISOをISO値に変換したものを引いたものになります。

EV値 = AV値 + TV値 − ISO値という式は、ISO 100を基準とした際の撮影設定における相対的な露出レベルを示すための別の方法と考えることができます。ISO値を引く理由は、ISO感度が増加すると(ISO値が増えると)、撮影に必要な光の量が減るため、相対的な露出レベル(EV)が変化するからです。

*対数関数を用いた計算式については複雑な式になるため後述します。

F値AV値
F1AV0
F1.4AV1
F2AV2
F2.8AV3
F4AV4
F5.6AV5
F8AV6
F11AV7
F16AV8
F値からAV値を算出
シャッタースピードTV値
1秒TV 0
1/2秒TV 1
1/4秒TV 2
1/8秒TV 3
1/15秒TV 4
1/30秒TV 5
1/60秒TV 6
1/125秒TV 7
1/250秒TV 8
1/500秒TV 9
1/1000秒TV 10
1/2000秒TV 11
1/4000秒TV 12
1/8000秒TV 13
シャッタースピードからTV値を算出
ISOISO値
100ISO0
200ISO1
400ISO2
800ISO3
1600ISO4
3200ISO5
6400ISO6
12800ISO7
25600ISO8
ISOからISO値を算出

上記に示した書く値を「EV値 = AV値 + TV値 – ISO値」に導入して値を算出することができます。
例えば、F2.8 = AV3, 1/2秒 = TV1, ISO400 = ISO2 の場合はEV = 3 + 1 – 2 = 2と算出できます。

EV(露出値)を計算: 対数関数 logを用いて算出

こちらの内容は、対数関数の「log」を用いた計算方法に焦点を当てていますので、数学が得意な方向けです。そのため、フォトマスター検定などの試験対策で勉強されている方々には、EV値の一覧表を暗記することをお勧めします。

EV = log2(N2 / t) + log2(ISO / 100)

*Nは絞り値(F値), tはシャッタースピード(秒), ISOは感度, log2は底が2の対数を表す.

この式は、カメラの露出値(EV)を計算するための一般式です。この式では、光の量とカメラの設定がどのように相互作用して、特定のシーンを撮影するために必要な露出を決定するかを表しています。

  • EV は露出値(Exposure Value)です。この値は、撮影条件に適した絞り値(F値)、シャッタースピード、ISO感度の組み合わせを定量的に示します。
  • N は絞り値(F値)です。レンズの開口部の大きさを表し、数値が小さいほど開口部は大きくなり、より多くの光がセンサーに到達します。
  • t はシャッタースピード(秒単位)です。カメラのシャッターが開いている時間を表し、この時間が長いほど、センサーはより多くの光を受け取ります。
  • ISO はカメラセンサーの感度でISO感度を示しています。

計算ステップ EV = log2(N^2 / t) + log2(ISO / 100)

例えば、F値が2.0、シャッタースピードが1/125秒、ISO感度が200の場合のEV値を計算するには、

EV = log2(2.02 / (1/125)) + log2(200 / 100)の式を用います。

  1. 絞り値とシャッタースピードからのEVの計算: $$EV_{N,t} = \log_2\left(\frac{N^2}{t}\right) = \log_2\left(\frac{2.0^2}{\frac{1}{125}}\right)$$ 計算結果: $$EV_{N,t} \approx 8.97$$
  2. ISO感度からのEV調整: $$EV_{ISO} = \log_2\left(\frac{ISO}{100}\right) = \log_2(2)$$ 計算結果: $$EV_{ISO} = 1$$
  3. 総合EV値: $$EV_{total} = EV_{N,t} + EV_{ISO} = 8.97 + 1 = 9.97 = 約10 $$

したがって、F値が2.0、シャッタースピードが1/125秒、ISO感度が200の場合のEV値は約10となります。

写真の露出をマスター

ISO感度、シャッタースピード、F値の三つの要素を理解し、これらを用いてEV値を計算することで、どのような撮影条件下でも適切な露出設定を決められるようになることで、自身の表現したい写真が撮影できるようになっていきます!

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