昨今、ワイヤレスイヤホン市場は競争が激化しており、高性能かつリーズナブルな製品が続々と登場しています。
今回レビューするXiaomi Redmi Buds 6 Proは、約1万円という価格帯でありながら、ハイエンドモデルに匹敵する機能を備えた注目の製品です。実機を使用して感じた魅力と課題について、詳しくレビューしていきます!
*今回レビューに使用するイヤホンは実費にて購入したものとなります。
Xiaomi Redmi Buds 6 Proの特徴|価格以上の性能を持つワイヤレスイヤホン
Xiaomi (シャオミ) Redmi Buds 6 Proの最大の特徴は、この価格帯では珍しいトリプルドライバー構成を採用していることです。11mmのダイナミックドライバーに加え、6.7mmツイーターとセラミック高音ドライバーを組み合わせることで、低音から高音まで非常にバランスの取れたサウンドを実現しています。
また、最新のBluetooth 5.3規格に対応し、LDAC/LHDC 5.0などの高音質コーデックもサポート。ハイレゾ音源(Hi-Res)の再生にも対応する本格的な音楽再生能力を備えています。
カスタムIEMなどでは採用されることが多々あるトリプルドライバーをワイヤレスイヤホンで採用しているのは珍しいですね。
ワイヤレスイヤホン本体仕様
本体の仕様としては他社のハイエンドイヤホンに匹敵しています。
昨今、対応イヤホンが増えているマルチポイントにも対応しています。
- ドライバー:11mm(チタンコーティング)*1個 + 6.7mmツイーター(厚電セラミック高音)*2個
- Bluetooth:ver 5.3(マルチポイント対応)
- コーデック:MIHC、LHDC 5.0、LC3
- 空間オーディオ機能:対応 *ヘッドトラッキングと3Dオーディオに対応
- バッテリー持続時間:最大9.5時間(ANCオフ時)
- 充電ケース含む総再生時間:最大36時間(ANCオフ時)
- 防水性能:IP54
- カラー:ブラック、ホワイト、パープル
実機レビュー(本体と付属品)
開封してまず目を引くのは、高級感のある充電ケースのデザインです。マットな質感の表面処理が施され、持ちやすさにも配慮されています。イヤホン本体も軽量かつコンパクトで、長時間の装着でも疲れにくい設計となっています。
付属品には、3サイズのイヤーチップと充電用USB Type-Cケーブル、説明書が同梱されています。イヤーチップの素材は柔らかく、フィット感も良好でした。
イヤホンケース本体
イヤホンケース本体はマットな質感で、背面には金色で「Redmi」の印字がありました。
ケーズ下部が充電用のUSB-Cとペアリングの際に使用するボタンが一つあるのみでした。
また、ケース前面の白色のLEDバーは電池残量に応じて長さが変わるようになっていました。
イヤホン本体
イヤホン本体もマットな質感で、側面は光沢のある素材でスライド操作にも対応しております。
イヤーピースを装着する部分に関しては楕円形になっており、サイズ自体はAirPods Proとほとんど同じサイズになっておりました。ただ、イヤーピースに関しては互換性はなかったです(AirPods Proと突起の形状が異なるがものによっては装着可能)。
対応イヤーピースに関して
付属しているイヤーピースよりも外部の雑音をカットしたかったために対応しているものを実際に装着して試したので紹介いたします。
BULLETZ TWS
ウレタン素材系のイヤーピースはコンプライなどが有名ですが、そちらは装着が難しく、DEKONI AUDIO(デコニ・オーディオ)の「BULLETZ TWS」は軸径が太いため、装着が可能でした。
装着感としては圧迫感はややありましたが、密閉度があがり低音域が強く出るようになりました。
また、密着度があがりノイズキャンセリングの効果もあがりました。
*サイズに関してはS・M・Lがあります。私の場合は「Xiaomi Redmi Buds 6 Pro」がMサイズでこちらの製品もMサイズでちょうど良かったです。
Fiio (フィーオ) HS18
こちらのもFiio (フィーオ) HS18も軸径が太く装着が可能でした。医療用のシリコンで厚さが薄いため、付属品のイヤーピースに近かったです。音質に関しても付属品のイヤーピースと近かったです。
サイズに関してはS・M・Lのサイズが同梱されているため、予備のイヤーピースとして手軽に購入するには良いと思います。
MADOO (マドゥー) MDX30
MADOOの「MDX30」は楕円形で装着はしやすく、密着度もシリコン系の中では良かったです。
但し、Mサイズでも本体ケースに収納がしづらかったです。
ANC(アクティブノイズキャンセリング)の実力を検証|どこまで雑音をカットできる?
最大の注目ポイントである55dBのANC性能は、実際に使用してみても非常に効果的でした。
特に低音から中音域のノイズカット性能が秀逸で、この価格帯としては驚異的なレベルと言えます。
ただ、AirPods Pro 2やWF-1000XM5などの高価格帯のモデルと比べると弱い印象です。
パッシブノイズキャンセリング
ANCに関しては公式の仕様が55dBと他社のイヤホンを圧倒していましたが、
パッシブノイズキャンセリング(イターピースによる遮音)が物足りませんでした。
これはイヤーピースが装着感した時に圧迫感の少ないシリコンのためのようです。
音質と接続性をチェック|マルチポイント接続の実力は?
Bluetooth 5.3を採用し、スマートフォンとPCなど2台のデバイスを同時に接続できるマルチポイント機能にも対応しています。マルチポイント機能により、接続しているPCで動画を視聴中にスマホの着信があった場合、スムーズに音声を切り替えることができ、ビジネスユースにも最適です。
また、Google Fast Pairにも対応しており、画像のようにAndroid端末を近くに置いてイヤホンケースを開くと簡単に接続ができました。
イヤホンの音質について
トリプルドライバーシステム
11mm(チタンコーティング)1個 + 6.7mmツイーター(厚電セラミック高音)2個の同軸配置を採用。各周波数帯域を専用ドライバーで処理することで、音の分離感と解像度が大幅に向上。
高音質コーデック対応
LDAC/LHDC 5.0/LC3に対応し、ハイレゾ音源(最大24bit/96kHz)のワイヤレス再生が可能。特にLDAC使用時は990kbpsの転送レートで原音に近い再現性を実現。
11mmの大型ダイナミックドライバーが生み出す重厚な低域と、セラミックドライバーによる伸びやかな高域が特徴的で、中域ではボーカルが自然な定位で際立ち、楽器との分離度も高く、特にアコースティック楽器のニュアンスを繊細に表現していました。
また、前モデル(Xiaomi Redmi Buds 5 Pro)と比べ、より引き締まった高音特性へと進化を遂げた、バランスの取れたサウンドを実現していました。
但し、6.7mmツイーター(厚電セラミック高音)*2個搭載して高音のボリュームは強化されていますが、BA(バランスドアーマチュア)型のようなシャープでキレのある聞いていて心地が良いサウンドではなかったです。
同じメーカーのイヤホン(主要仕様比較表)
項目 | Redmi Buds 6 Pro | Redmi Buds 5 Pro | Redmi Buds 6 |
---|---|---|---|
ドライバー構成 | 同軸トリプルドライバー (11mmダイナミック+6.7mmツイーター×2) | 同軸デュアルドライバー (11mmダイナミック+6mmツイーター) | デュアルドライバー (12.4mm+5.5mm) |
ノイズキャンセリング | 最大55dB | 最大52dB | 最大49dB |
空間オーディオ | ヘッドトラッキング対応 | 非対応 | 3Dオーディオ *ヘッドトラッキング非対応 |
バッテリー持続時間 | 9.5時間/36時間(ケース含む) | 10時間/38時間(ケース含む) | 6時間/42時間(ケース含む) |
Bluetoothバージョン | 5.3 | 5.3 | 5.4 |
対応コーデック | LDAC/LHDC 5.0/LC3 | LDAC/AAC/SBC | AAC/SBC |
防水性能 | IP54 | IP54 | IIP54 |
重量 | 46.5g(ケース含む) | 42.8g(ケース含む) | 43.2g(ケース含む) |
急速充電 | 5分充電で2時間再生 | 5分充電で2時間再生 | 10分充電で4時間再生 |
Redmi Buds 6 Proの優位点
- 音響技術: 同軸配置のトリプルドライバーで高音域(最大40kHz)まで再現可能
- 次世代ANC: 16,000回/秒のサンプリング周波数で環境音をリアルタイム調整
- ゲームモード: 89msの超低遅延(LC3コーデック使用時)
- 空間音響: 6軸ジャイロセンサーによるヘッドトラッキング対応
Redmi Buds 5 Proの特徴
- ハイブリッドANC: 最大52dBのノイズキャンセリングで4kHzまでの広帯域をカバー
- 通話品質: 3マイク+AIノイズリダクションで12m/sの耐風性能
- 素材: ビーガンレザー採用の高級感あるデザイン
Redmi Buds 6の特徴
- 価格性能比: 最安価格帯で基本機能を充実
- 新Bluetooth: 5.4対応で接続安定性向上
世代間進化のポイント
- ノイズキャンセリング性能: Redmi Buds 5 Pro→Redmi Buds 6 Proで3dB向上(52dB→55dB)
- ドライバー技術: Redmi Buds 5 ProのデュアルからRedmi Buds 6 Proでトリプルドライバーに進化
- 空間認識: Redmi Buds 6 Proのみヘッドトラッキング機能を追加
- 接続性能: Redmi Buds 6でBluetooth 5.4を初採用(Redmi Buds 6 Proは5.3)
価格帯はRedmi Buds 6 Proが約1万円前後、Redmi Buds 6が最安値(約6千円前後)、Redmi Buds 5 Proが約9千円前後となっています。今購入するなら、Redmi Buds 5 Proはケースの高級感は一番ありますが、機能と価格を考えるとRedmi Buds 6 ProかRedmi Buds 6が選択肢としては良さそうです。
実際に使ってわかったメリット・デメリット|買うべき人は?
- 価格を超えた高音質再生が可能
- 効果的なノイズキャンセリング性能
- マルチポイント接続の安定性
- 直感的なスワイプ操作
- 急速充電対応で使い勝手が良い
- イヤーチップの装着感は人を選ぶ可能性がある
- ANCは他社の高価格帯のハイエンド(AirPods Pro2など)よりも劣る
- 通勤・通学でノイズキャンセリングを活用したい人
- 複数デバイスを使用するビジネスパーソン
- コスパを重視する方
持ち運び用のケース(アクセサリー)
持ち運び用のケースも別途購入いたしました。
同じものが販売されていなかったため、リンクは別のものとなります。
まとめ|Xiaomi Redmi Buds 6 Proはコスパ最強イヤホンになれるか?
Xiaomi Redmi Buds 6 Proは、その価格帯を考慮すると驚異的な性能を持つワイヤレスイヤホンと言えます。特に音質とノイズキャンセリング性能は、価格の2倍以上するモデルと比較しても遜色のないレベルを実現しています。
マルチポイント接続やスワイプ操作など、実用面での使い勝手の良さも特筆すべきポイントです。わずかな改善点はあるものの、総合的に見て「コスパ最強」と呼ぶにふさわしい製品だと評価できます。
音楽視聴からビジネスユースまで、幅広いシーンで活用できる万能性も魅力です。1万円前後のワイヤレスイヤホンを検討している方には、最有力候補として自信を持っておすすめできる製品です。
予備のイヤーピース
付属品のイヤーピースは単体での購入が難しいため、
予備のイヤーピースとしては装着感の近い「FIIO フィーオ HS18 (S/M/L 各2ペア)」がおすすめです。
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