カメラマン兼ブロガーのMIYABIです。今回は集合写真の撮影方法についてお伝えしていきたいとます。
集合写真で大切なこと
集合写真の撮影で大切なことは全部で3個あります。
- ピントが全員に合っている
- 被写体がこちらに表情良く向いている
- 背景がしっかりと写っている
集合写真は思い出を記録する写真であるため、その時のことが思い出せる写真を撮ることが重要です。
そのためには、全員にピントが合っていることは勿論必要ですが、表情やその場の背景も大切です。表情が良くないと楽しかった思い出などが上手く表現されません。また、背景についても例えば山の頂上で青空の中で撮影したにも関わらず白飛びしていたのでは良い写真とは言えません。
撮影前の知識
撮影前の知識としてF値と被写界深度の理解が大切です。
- F値とは?
F値は、カメラのレンズの絞りの大きさを示す指標です。小さいF値(例: F2.8)は、絞りが開いているため、多くの光を取り込むことができます。一方で、大きいF値(例: F13)は、絞られていて少ない光を取り込むことになります。 - 被写界深度とその関係性
被写界深度とは、ピンのくる範囲で言い換えると「ボケない範囲」のことを指します。F値と直接的に関係しており、F値が小さいと被写界深度は浅くなり、大きいと深くなります。
集合写真の撮影テクニック
ここから実際の集合写真の撮影テクニックを伝授していきたいと思います。
撮影テクニック その1 使用するレンズと焦点距離
レンズの焦点距離: 24-50mm
理想的な撮影時の焦点距離: 35-50mm
上の焦点距離の一部でもカバーしているレンズであれば大丈夫です。
ここで重要になってくるのは焦点距離による歪みの影響です。広角レンズの方が広く撮れますが、24mm未満のレンズを使用した場合は歪みが大きく目立ち良い写真に仕上がりません。
理想的な撮影時の焦点距離に関しては歪みがある程度抑えられて被写界深度が浅くなりすぎない、35-50mmです。
但し、人数が多い場合や被写体との距離をとれない場合は24mmを使用しての撮影でも大丈夫です。
焦点距離が大きくなると同じF値でも被写界深度が浅くなります。
仕事として集合写真を撮影する場合は写真に文字入れなどがある場合があるので、ひと回りほど余白を残して撮影した方が良いです。
撮影テクニック その2 カメラの設定
<明るさが十分にある環境>
F値: 8~11
シャッタースピード: 1/125~1/200
ISO感度: 100~200
<室内などの暗い環境>
F値: 5.6~8
シャッタースピード: 1/125~160
ISO感度: 400~1000
カメラの設定は撮影を行う場所や人数によって変える必要があります。
野外で明るい場合はF8~11などの値を使っても良いですが、室内で薄暗い場合などは人数によって絞りを開いて撮影した方が良いです。
フルサイズのカメラでF値=5.6が焦点距離=35mm、被写体との距離が4mだと仮定すると、前方被写界深度=約1.4mで後方被写界深度=約4.8mとなるため、一番前の人にピントを合わせても3列の集合写真でも十分撮影が行えます。
そのため、室内での撮影の場合は無理にF値=8まで絞らなくても十分に撮影できる場合が多いです。
ISO感度については、可能な限り低い値を選択した方が良いですが、室内で撮影する場合に関してはストロボのチャージをまに合わせるという意味でもISO400以上には設定した方が良いです。
ストロボ使用時は機種によりますが、シャッタースピードを1/200より速くするとハイスピードシンクロでの撮影が必要になり光の周りが悪くなります。
そのため、1/200以下で値を設定してください!
撮影テクニック その3 ピント合わせの方法
1~3列の集合写真の場合のピントは一番前の列の中央に合わせてください。
4列以上の場合は2列目の中央の被写体に合わせるのが良いです。
この位置にピントを合わせることで、前方被写界深度よりも後方被写界深度の方が深いという利点を使って撮影を行うことができます。
撮影テクニック その4 AFモード
メーカー | AFの呼称 |
---|---|
キヤノン (Canon) | ワンショットAF |
ニコン (Nikon) | シングルサーボAF (AF-S) |
ソニー (Sony) | シングルショットAF (AF-S) |
パナソニック (Panasonic) | シングルAF (AFS) |
オリンパス (Olympus/OM System) | シングルAF (S-AF) |
フジフィルム (Fujifilm) | シングルポイントAF (S) |
ペンタックス (Pentax/Ricoh) | シングルAF (AF.S) |
集合写真を撮影する際のAFモードは上記の表に示すモードを使用してください。
このAFモードは一度シャターボタンを半押してピントを合わせたら、そのピントの位置で撮影ができるモードです。
半押している場合にピントを合わせ続けるモードにしてしまうと、ピントが抜けてしまうことがあるので要注意です。
撮影テクニック その5 ストロボの設定
背景と被写体を分離して考える
- カメラの露出は背景に合わせる
- 被写体の明るさはストロボで調整する
TTLの調光補正: 0~+1
*マニュアルの場合はやや強めに設定
集合写真を撮影する際は被写体を明るく綺麗に撮影するためにストロボ(スピードライト)を使用した方が良いです。
ここで重要になってくるのが背景と被写体を分離して考えるということです。
背景と被写体どちらも白飛びと黒潰れしないで撮影するために、カメラの露出は背景に合わせて、ストロボで被写体の明るさを調整することが重要です。
ストロボの設定はマニュアルまたはTTLの0~+1で適宜確認してやや強めに光があたる値を設定します。
撮影テクニック その6 カメラの記録画質設定
カメラの画質設定: RAW
*現像が行えない場合はJPEG+RAW
記録画質についてはRAWで撮影を行った方が良いです。
しかし、後で現像ができない場合などは「JPEG+RAW」で撮影しておいて基本的にはJPEGを使うという設定でもよいです。
集合写真は失敗が許されない場合が多いため、RAWに設定しておくことで現像する時の編集で補正の自由度が増します。
撮影テクニック その7 三脚の使用
三脚があった方が良い場面
- 入園式や卒園式などの式典
- 同じ場所で複数回撮影するとき
三脚の使用については任意ですが、式典ではかっちりとした写真が求められるため三脚を使用した方が良いです。また、同じ場所で複数回撮影するときも三脚があると同じ構図で写真が撮れるため良いです。
三脚使用時は誤作動の可能性があるので、手ぶれ補正はオフにしてくださいね!
最後に
集合写真は、一瞬の思い出を形に残す大切なものです。その大切な瞬間を最高の形で撮影する手助けができたら幸いです。
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