MIYABIハイブリッドドライバー構成・Hi-Res/LDAC/aptX Lossless対応・ブランド最高峰ANCを搭載。
「Air5 Pro+」を実際に使ってみた率直な感想をお伝えします。
はじめに


ワイヤレスイヤホンを使い始めて数年、音質やノイズキャンセリングの重要性が、日常生活の中で少しずつ実感できるようになってきました。リモートワークが定着し、通勤時間や作業中の音環境が、仕事の効率や気分に大きく影響することに気づいたからです。
高音質なイヤホンは魅力的ですが、3万円、4万円という価格帯になると、なかなか手が出せません。そんな中、SOUNDPEATS Air5 Pro+は15,380円という価格で、MEMSドライバーとダイナミックドライバーのハイブリッド構成、LDACやaptX Lossless対応を実現しています。
実際に数週間使ってみて、この価格帯でここまでできるのかという驚きと、日常の中で感じた細かな発見について、率直にお伝えしたいと思います。
商品実機画像
















パッケージを開けると、本体に加えてUSB-Cケーブルとイヤーピースが同梱されていました。
イヤーピースは装着済みを含めて3サイズ。必要十分な内容です。
SOUNDPEATS Air5 Pro+の基本スペックと特徴


SOUNDPEATS Air5 Pro+の最大の特徴は、MEMSドライバーと10mmダイナミックドライバーのハイブリッド構成です。MEMSドライバーは半導体製造技術を応用したもので、応答速度の速さが特徴とされています。
使い込むうちに分かってきたのですが、このイヤホンの音は高解像度でありながら、聴き疲れしにくい温かみを持っています。高音はクリアで伸びがあり、MEMSドライバーの恩恵を感じられる一方、10mmダイナミックドライバーが低音に深みと自然な厚みを加えてくれます。音楽を「分析する」というより、「心地よく浸る」感覚に近いかもしれません。
■ 主なスペック
- ドライバー構成:10mmダイナミック + MEMS(xMEMS Cowell)
- 対応コーデック:LDAC / aptX Lossless / aptX Adaptive / LC3 / AAC / SBC
- ANC性能:AIアダプティブANC(最大 -55dB)
- 再生時間:最大30時間(イヤホン単体 約5時間)
- 防水性能:IPX5
- マルチポイント対応(※LDAC利用時は非対応)
- 価格:15,380円
- 発売日:2025年10月27日
LDACとaptX Losslessの両対応は珍しく、Android、iPhoneどちらのユーザーも高音質コーデックの恩恵を受けられます。この柔軟性は、デバイスを複数使う人にとって嬉しいポイントです。
開発コンセプトと技術的な背景


ワイヤレスイヤホン市場では、高音質を追求すると価格が跳ね上がる傾向があります。ハイエンドモデルは4〜5万円台が当たり前になっており、気軽に試せる価格帯ではありません。
SOUNDPEATSは「手の届く価格で高品質を」というコンセプトのもと、累計販売台数3,500万台を突破してきたブランドです。Air5 Pro+でも、その姿勢は一貫しています。
MEMSドライバー専用のアンプ(Aptos Class-H XAA-2000)を搭載することで、性能を引き出しつつ、小型筐体と低消費電力を両立しています。この技術的な工夫が、この価格での実現を可能にしているようです。
実際に使ってみて感じたこと
① 音質:高解像度と温かみの両立


LDAC接続で音楽を聴くと、細部まで明瞭に聴き取れる解像度の高さに驚きました。アコースティック系の楽曲では、楽器の音の分離が良く、空間の広がりも自然に感じられます。ボーカルの息遣いまで伝わってくる繊細さがあります。
それでいて、音に温かみがあるのが印象的です。高解像度のイヤホンは時に冷たい印象になりがちですが、Air5 Pro+は低音に適度な厚みがあり、音楽全体に自然な温もりを感じます。長時間聴いていても聴き疲れせず、音楽に没入できる心地よさがあります。ジャンルを問わず、幅広い音楽を楽しめる懐の深さを感じました。
② ANC:この価格帯では想像以上の静寂体験


正直、この価格帯のANCにはあまり期待していなかったのですが、良い意味で予想を裏切られました。AIアダプティブANCが環境に応じて自動調整してくれるため、場所を移動しても自然に最適化されます。
電車内では低域のゴーッという騒音がしっかり抑えられ、音楽に集中できます。カフェでは周囲の話し声が程よく軽減され、作業に没頭できる環境が作れました。完全な無音ではありませんが、むしろ適度に外の気配を感じられる方が、長時間使用でも圧迫感がなく快適です。
ソニーのWF-1000XM5と比較すると差はありますが、日常使いにおいては十分すぎる性能です。この価格でこのレベルのANCが体験できることに、正直驚きました。集中したいときの「自分だけの静かな空間」を手軽に作れる感覚は、一度体験すると手放せなくなります。
③ マルチポイント:地味だけど確実に便利
スマートフォンとPCの2台同時接続は、使い始めてその便利さに気づく機能です。会議中に電話がかかってきても、スムーズに切り替わるため、デバイスを切り替える手間がなくなります。
日常的にデバイスを行き来する機会が多い方には、地味だけれど確実に効率化を実感できる機能です。ただし、マルチポイント使用時はLDACが使えないため、高音質を優先するか、利便性を取るか、状況に応じて使い分けています。
ANCノイズキャンセリング性能の比較
個人的に使用した複数機種の中で、ノイズキャンセリング効果を比較すると以下の印象でした。
強い ← → 弱い
WF-1000XM5 > Air5 Pro+ > Air Pro 4i ≈ WF-C710N > Air Pro 4
Air5 Pro+はこの価格帯では上位レベルで、実用性は非常に高いです。
製品詳細とスペック
■ 詳細スペック
- 再生時間:最大 30時間(イヤホン単体 5時間)
- 充電:10分で約2時間再生可能な急速充電
- 防水性能:IPX5(軽い雨や運動時の汗にも対応)
- 重量:イヤホン片側 約5g、ケース含む約51g
- 対応コーデック:LDAC / aptX Lossless / aptX Adaptive / AAC / SBC / LC3
- アプリ:PeatsAudio(EQ調整・操作カスタム・ファームウェア更新)
■ 価格・発売日・購入方法
- 発売日:2025年10月27日
- 通常価格:15,380円
音質の好みに合わせてEQ調整したい場合は、公式アプリ「PeatsAudio」が便利です。イヤーチップは3サイズ付属しているので、自分に合ったフィット感を見つけられます。
使い続けて分かったこと
SOUNDPEATS Air5 Pro+を数週間使い続けて、15,380円という価格でこれだけの体験ができることに改めて驚いています。MEMSドライバー搭載、LDAC・aptX Lossless対応、そして想像以上に優秀なANC性能。
最上位機種と比べれば及ばない部分はありますが、日常使いにおいては十分すぎる性能です。音質は高解像度でありながら温かみがあり、長時間聴いていても疲れません。ANCは静寂と快適さのバランスが絶妙で、集中したいときの強い味方になってくれます。
リモートワークでの会議、通勤時の音楽鑑賞、カフェでの集中作業。さまざまなシーンで使ってみて、このイヤホンへの愛着が日に日に深まっています。「最高の音質」を求めるなら上位機種の選択肢もありますが、「コストを抑えつつ、確かな品質が欲しい」という方には、自信を持っておすすめできるイヤホンです。
今後の展望
SOUNDPEATSは今後もMEMS技術の採用を進めていくと考えられます。技術の成熟と量産化が進めば、さらに高性能なモデルが手頃な価格で登場するかもしれません。このイヤホンと共に、オーディオ体験の世界をもっと探求していきたいと思います。

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